病理組織診とは?
患者様が病院に来院されると、適切な治療の為には適切な診断が必要となります。『病理における診断』は、最終診断として大きな役割を果たしています。
診断対象となる臓器は全身にわたり、患者様の身体の一部から採取された組織を診断する生検組織診、手術で摘出された臓器を詳しく調べ、組織の特徴や病変の広がり、取り切れているかどうかの診断を行います。
病変部の組織や細胞から顕微鏡下で観察可能なガラス標本(プレパラート)を作製し、病理専門医により診断が行われます。その診断結果に基づいて治療方針が決定されます。
病理判定がつくまでの流れ
内視鏡等で採取された組織片は固定、切り出し、包理、薄切、染色などの工程を経て、プレパラートは作製されます。
専門の資格をもつ病理医が、顕微鏡下で観察し判定を行います。
以下に簡単なフローチャートをお預かりしてからの日数を踏まえて紹介します。(それぞれの項目をクリックすると詳細が表示されます。)
受付
病理専用システムで搬入受付を行います。
受付終了後、ガラスに2次元バーコードで検体を管理していきます。
切り出し
検体を約2~4mm程度の厚さにスライスします。
提出された臓器や採取方法によって検体の切り出し方が異なります。
ホルマリンを使用していますので、人体に暴露しないように上図の様な換気装置内で作業を行います。
自動固定包埋装置
検体を脱水、脱脂しパラフィン(ロウ)へ浸透をさせる機器です。
通常は、約13時間程度かかります。
上の機器は、約1.5時間で処理を可能とします。
包埋
検体をロウに埋め込んでいきます。
薄切
検体を 3μm(3/1000mm)の厚さに薄切します。
染色
全自動で細胞に色を付けていきます。
特殊染色
PAS染色:
(染色意義:中性粘液多糖類、グリコーゲン、真菌、基底膜を染め出す。
コンゴー赤染色:
アミロイドの証明にコンゴー赤、ダイレクト・ファースト・スカーレット染色などがある。両者とも赤紫色で偏光顕微鏡にて緑色複屈折を呈する。
*アミロイドには主成分であるアミロイド線維タンパク質の違いにより化学的に複数の種類がある。
簡易敵にAAアミロイドとそれ以外のアミロイドの鑑別に過マンガン酸カリ酸化が有用で酸化処理によりAAアミロイドは染色性を消失する。
チールネルゼン染色:
組織の感染細胞中の抗酸菌の証明*結核菌やその他の抗酸菌(らい菌、ノカルジアなど)を淡赤~濃赤色で背景は青色
免疫染色
自動免疫染色装置
全自動で最大30枚の検体を1度に染めることが出来ます。
体細胞遺伝子検査